エッセイコーナー
517.天と地の怒り  2020年8月23日

コロナ禍のもと、世界各地で異常とも云える自然災害が起こっている。
インドやイギリスでは大洪水。北極では気温が20度を超え、氷河が解け始め、泥流となって川を勢いよく流れている。
永久凍土はもはや「永久」ではなくなりつつあるようだ。
日本でも40度を超える猛暑、いや、それどころかアメリカのデスバレーでは50度を超える日が続いているとか。
想像を絶する暑さだ。
そんななか、カリフォルニア州の山火事が急速に範囲を広げている。8月21日時点ではニューヨーク市の2倍超の焼失面積だとのこと。
原因は落雷のようだが、その数が半端ではない。1万1千件を超えるとのことだ。
正しく異常気象である。

異様とも云えるこの暑さについては、世界の平均気温が年々上昇しており、1891年以降100年あたりで0.68度、日本の平均気温は1898年以降100年あたりで1.15度の割合で上昇しているとのことだ。
それに伴い、猛暑日は1931年~2012年の変化傾向をみると、10年あたり0.2日、熱帯夜は10年あたり1.14日の割合で増加。冬日は10年あたり2.2日の割合で減少しているとのこと。それには勿論ヒートアイランド現象も考慮されるべきと思うが、やはりなんと云っても、地球温暖化が大きな要因であることは衆目の事実であろう。
盂蘭盆会が過ぎ、これから秋を迎える。収穫を歓ぶ季節であると同時に、台風本番の季節でもある。
温暖化による気温上昇に伴い、大気中の水蒸気量が増えることにより、大雨をもたらす。雨によって大地の気温が下がり、上空との温度差が増すことによって竜巻などの突風や強い風が発生しやすくなる。

近年、台風の大きさ、強さが増してきているように感じるが、それに伴っての被害は実に甚大である。
2013年11月、フィリピンを襲った台風ハイエン(スーパー台風)は7mもの高潮を引き起こし、6千名以上の人命を奪った。その時の最大瞬間風速は時速324㎞だったとのこと。新幹線並み、いやそれ以上のスピートだ。
そもそも地球温暖化をもたらす原因として考えられるのが、我々人間の活動による弊害と云っても差し支えない。
工業化が進み、二酸化炭素やメタン、亜酸化窒素などの温室効果ガスの濃度を増やし続けていることに、残念だが起因していると考えられる。

本来なら、世界で一番工業化が進み、二酸化炭素やメタン、亜酸化窒素などを大量に放出しているのであろう超大国が、気候変動の国際的な取り組みである「パリ協定」から離脱を表明した。とんでもない話である。
3か月後の今年11月4日、正式に離脱することになっている。
そうなると、その超大国は世界で唯一、同協定に参加しない国と云うことになる。
身勝手で、傲慢で、独善的な常軌を逸した行為であると云わざるを得ない。
それでは天と地の怒りを買って当然かもしれない。
但し、その前日の11月3日に大統領選がある。その結果如何によっては、まともな方向に修正される可能性もある。
そうあってほしいと思うが、果してどうなることやら。超大国国民の見識や常識を問いたい・・・。


フォト短歌「属国」  


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