エッセイコーナー
337.和語を大切に  2018年11月12日

県の体育協会より、改名についてのアンケート依頼があった。今迄慣れ親しんだ県体育協会と云う呼称から、県スポーツ協会に改名する意向のようだ。
と云うのも、2011年にスポーツ基本法が誕生し、スポーツ庁が設置された。それに伴い、各都道府県協会の総本部である日本体育協会が、日本スポーツ協会へと改名したことに端を発しているようだ。
いずれ国民体育大会も国民スポーツ大会へと改名されることだろう。

あるスポーツ評論家が、「スポーツ」と云う概念は、体育だけではなく、知育や徳育も含んでいると説き、体育と云う和語からスポーツへの改名に賛同している。
時代の流れと云うことか。
しかしながら、広辞苑を引いてみると、「スポーツ」の意味は、陸上競技、野球、テニス、水泳などから登山、狩猟などにいたるまで、遊戯、競争、肉体的鍛錬の要素を含む運動の総称を指し、「体育」は、健全な身体の発達を促し、運動能力や健康で安全な生活を営む態度等を養うことを目的とする教育、とある。
つまり、体育と云う概念には、徳育や知育がしっかりと含まれている言葉、和語なのである。

外来語を取り入れ、柔軟な発想を持つことを否定するつもりも拒絶するつもりは毛頭ないが、言霊を信じて久しい日本人が、大切に守り伝承してきた和語の活用を、決して軽んじてはならないと私は思うのである。
そんな意味に於いて、県体育協会のアンケートに対して、「今迄どおりで良いのでは」と回答しようかと思っているが、時代の流れ、時勢の動きに逆らえる筈もなく、県スポーツ協会と呼ばれるようになるのも時間の問題だろう。
そうなると当然、学校の「体育の時間」が「スポーツの時間」となり、「保健体育」から「保険スポーツ」にでも変わるのであろうか。なかなか馴染めそうにないように思うのだが・・・。


フォト短歌「馴染むか」 フォト短歌「もみじ楓」


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