エッセイコーナー
151.世の為・人の為  2015年10月9日

世の中には他人を貶したり、陰口を叩いたり、自分さえ良ければ良いなどと思っている人らがいる一方、善行、徳行、篤行、慈心、仁徳、仁心など、仁愛の心を持った本当に偉い人物が、少数派かもしれないが確実にいる。今回ノーベル医学生理学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授大村智(80)さんもその一人だ。
寄生虫による感染症の治療法を発見し、多くの患者に未来と希望を与えた。
研究の内容や成果は勿論だが、特筆すべきは特許権を放棄し、WHOを通じて10億人以上にイベルメクチンの無償提供を行ったことなど、筆舌に尽くしがたい感銘を与える善行を行っている。

また、研究によって発見した新薬など、製薬会社から得た数百億円ものロイヤリティーを、自身は「食べるだけで十分だ」と大半を研究助成や病院建設などに充てたとのこと。それ以外にも徳望のエピソードは枚挙に暇がない。

アメリカの鉄鋼王と称され、晩年には巨額の私財を慈善活動に義援したアンドリュー・カーネギーや、ネパールの不毛の山間地を緑の楽園に変え、貧しい農民の飢えを救った近藤亨さん、私の知人の中では、東日本大震災の折、被災者の為に身を粉にして尽くされた北上市在住の高橋静雄さんのような大人物、本物の偉人と云っていい人たちが世の中にはひっそりとどこかに佇んでいる筈である。
「世の為・人の為」にと、奉仕の精神、献身の心を持った人たちを探しだし、その労を称え、世に知らしむることによって、それをお手本として善行を積み、世の中の不条理を改め、愛に満ち満ちた社会を築く若者らが必ずや出てくるに違いない。是非とも、マスコミ各位にはその橋渡し役となって頑張って頂きたいものである。





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