エッセイコーナー
133.大会無事終わる  2015年6月5日

ここひと月ほど、いや数ヶ月、第34回全日本ジュニア・第33回全日本マスターズパワーリフティング選手権大会が5月30日と31日の二日間、地元平泉で行われる為、その準備等で多忙の毎日を送った。やってもやっても次から次と新たな問題が噴出し、都度その鎮火に追われてきた。
だが、その多忙極まりない多事多端な毎日から漸く開放されることができた。勿論若干の残務処理は未だ残っているが。

今回の大会は来年の希望郷いわて国体のプレ大会として行なわれた大会だ。
大会初日は開会式後にマスターズ男女34名の競技。未だ5月だというのに真夏の暑さの中、ムンムンとした悪条件での競技となったが、マスターズの日本新記録が出るなど、会場は大いに盛り上がった。
続く31日(日)はジュニアの選手(カレンダーイヤーで19歳から23歳迄)ら32名でデッドヒートを繰り広げた。
前日の暑さから一変し、例年並みの爽やかな一日となった。それが功を奏したか、前日以上の記録ラッシュに沸いた。
会場はわれんばかりの声援が飛び交い、興奮の坩堝と化した。

「日本記録に挑戦です」とのアナウンスが流れると、ガヤついていた会場はシーンと静まり、「成功!」の白ランプが点灯するとわれんばかりの声援が会場全体に轟く。そのメリハリ、コントラストが実に明瞭、明快で、注目度を更に増す。
そして尚更期待度が高まるのである。
なかでも、マスターズⅠ男子74kg級の濱田展行選手のトータル記録は自体重の十倍を遥かに超える765kg。これは特筆すべき驚異的な記録である。
また、ジュニア男子105kg級の堀口耀介選手(青山学院大学22歳)が、学生記録はおろか、一般男子の日本記録900kg(トータル)を上回る900.5kgの挙上に成功した。弱冠22歳にしてこの記録はまさに快挙と云っていい。今後の更なる活躍に期待したい。

また、今回の大会に参加した男子マスターズⅡ105kg級の淺間成敏選手(スーパーパワー アサマトレーニングクラブ所属56歳)は、岩手県協会発足当時から大変お世話になった方だ。当県協会の「いま」があるのは、淺間さんのおかげであると云っても過言ではない。
また残念ながら、開催県として代表選手が1名もいないのは寂しい限りだが、隣県の宮城県から出場の、開会式では選手代表として選手宣誓の責についた北野利雄先生(K&B GYM所属68歳)の活躍も実に見事だった。衰えを見せないその雄姿に、改めて感動を覚えた次第である。

我が県は、過去に大きな大会として20年程前に一度、全日本女子を開催した経験がある。だが、正直言って経験不足は否めない事実である。
そんな事情から、参加された選手にとって満足な大会となったか否かは甚だ疑問だが、何とか無事に、怪我や特段の問題もなく閉会式を迎えることが出来たのは、日本協会役員の方々をはじめ、北海道・東北ブロック協会役員の方々、会場を快く提供くださった平泉町教育委員会、大会運営の補助を快くかって出てくれた有志一同、それに何と言っても、大会用の機材一式を無償で提供してくれた株式会社ザオバ様のご支援、ご協力には本当に感謝するばかり。言葉では言い表しがたい謝意の気持ちでいっぱいである。この場を借りて深く厚く御礼を申し上げたい。
                
                             文責 岩手県パワーリフティング協会理事長 伊藤英伸


■文部大臣賞(最優秀選手賞)マスターズの部
 濱田展行選手(個 人)

■文部大臣賞(最優秀選手賞)ジュニアの部
 堀口耀介選手(青山学院大学所属)

<男子マスターズの部>
MⅠ優秀賞(特製メダル)・・・濱田展行選手(個 人)
MⅡ優秀賞(特製メダル)・・・高橋雅之選手(アサマトレーニングクラブ所属)
MⅢ優秀賞(特製メダル)・・・北野利雄選手(K&B GYM所属)
MⅣ優秀賞(特製メダル)・・・大城新順選手(個 人)

<女子マスターズの部>
MⅠ優秀賞(特製メダル)・・・磯田あかね選手(アサマトレーニングクラブ所属)
MⅡ優秀賞(特製メダル)・・・滝沢嘉恵選手(パワーハウス所属)
MⅢ優秀賞(特製メダル)・・・大森聖子選手(ダイドースポーツクラブ所属)

<男子ジュニアの部>
優秀賞(特性記念グラス)・・・堀口耀介選手(青山学院大学所属)

<女子ジュニアの部>
優秀賞(特性記念グラス)・・・寺原万留々選手(京都学園大学所属)

<クラブ対抗団体戦>
◎マスターズ
1位 アサマトレーニングクラブ     
2位 パワーハウス           
3位 高岡トレーニングクラブ       
4位 マッスルプロダクション       
◎ジュニア
1位 阪南大学ウエイトトレーニング部   
2位 京都学園大学パワーリフティング部  
3位 青山学院大学パワーリフティング部 
4位 岡山大学ウエイトトレーニング部   

<都道府県対抗団体戦>
◎マスターズ
1位 神奈川県
2位 富山県    
3位 東京都
◎ジュニア
1位 関西学連
2位 東京都
3位 関東学連

今回更新された日本記録>>  各階級別の順位や記録、大会の様子など>>

希望郷いわて国体・希望郷いわて大会実行委員会の紹介記事


 
                                           その他の写真など>>

※最後に、Episodeや私の感想を一言
閉会式終了後に全員で後片付けを済ませ、会場を後にしようとしたその矢先、「忘れ物ですよ」とTシャツとツリパンが届けられた。名前が記載されていなかった為に確認のしようがない。取り敢えず事務所に持ち帰り連絡が来るのを待つことにした。案の定2・3日してから電話があった。

その電話の主とは、両名とも特筆すべき日本記録保持者であったが、二人の共通点はコンセントレーション能力の高さにある。集中力がいかに大事かということを改めて感じた次第である。


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