エッセイコーナー
784.ブルースリーの死因と安楽死について  2023年2月22日

かのブルースリーが亡くなって半世紀、今年で50年目を迎える。
『燃えよドラゴン』『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』『死亡遊戯』『グリーンホーネット』など、ジークンドーを駆使した格闘シーンは圧巻である。若き煮えたぎるハートをなだめながら観たものだ。
当時は私も御多分に漏れず、正拳突きや横蹴り、二段回し蹴りなど、古タイヤや生木を相手に鍛えたものだ。
なかでも一番夢中になったのがヌンチャクである。

ヌンチャクと云っても、古くなった鍬の柄を削って鎖を渡した手製の物だったが、これがまた意外と頑丈だった。
振り回して頭にでも当たろうものなら頭蓋骨が割れそうな痛さだった。
それでも使い熟してみたいと、バイク用のヘルメットを被りながらもアチョウ~と奇声を発しながら振り回したものだ。まったくバカである・・・。
我々の世代は特に、無敵のブルースリーにドはまりで、影響力も絶大だった。
しかしながら、無敵で不死身と思われたブルースリーも病には勝てなかった。32歳の若さでこの世を去り、誰もがショックを受けたのではないだろうか。

当時の死因は鎮痛剤摂取による脳腫脹だと云われていたが、最近、低ナトリウム血症の可能性が高いと指摘されている。
水分の過剰摂取により尿の排出量が追いつかず、脳水腫になり、死に至ったのではないかと云われている。
一時期、元・我々トレーニー仲間の一部でも、「水のがぶ飲みダイエット」が流行ったことがあったが、ややもするとブルースリーの二の舞になった可能性も否定できない。

「死」と云えば、先日の新聞記事に、安楽死について書かれていた。
フランスでのことのようだが、これはどこの国でも切実な問題であり、議論を深めるべき重要な課題だと思う。
記事によると、フランスでは終末医療を巡る議論が活発化しているそうだ。
フランスの世論調査では、約8割の国民が医師の薬物投与による「積極的安楽死」や「自殺幇助」の合法化に賛成しているとのこと。

しかしながら一方で、医師らは「患者に死を与えるのが医師の使命ではない」として反論を展開していると云う。
実に悩ましい問題である。
もし自分が著しく身体の自由が効かなくなった場合や脳死状態になったとしたら、家族に負担をかけたくないことから、消極的、或いは積極的な安楽死を認められるべきではないかと思っている。
ただ、32歳の若さで無念にも亡くなったブルースリーに云わせると、「何を勝手なことを云ってるんだ」と、ヌンチャクでコツンと叩かれそうである。


フォト短歌「アルカリ過食」 フォト短歌「いちご」


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