エッセイコーナー
314.法灯会の思い  2018年7月26日

盆明けの8月16日、岩手県西磐井郡平泉町の天台宗別格本山「毛越寺」浄土庭園の大泉ヶ池に、灯籠を浮かべて鎮魂を祈る法灯会が開催される。
今年も大泉ヶ池に浮かべる灯籠を奉納し、祈りを捧げるべく、願い事(四文字熟語など)を書きに毛越寺の事務所を訪れた。今回揮毫する熟語は「平和祈願」と「無病息災」、それに初めての試みとして短歌一首を詠み、「自然同化」の熟語と共に奉納することにした。
揮毫する最中、書き終わったと同時に記録として写真に収めようと自分に言い聞かせていたが、この暑さの所為か残念なことに今回もうっかり忘れてしまった。思い出したのは事務所を後にしてからだった。

甚大な被害をもたらし、多くの犠牲者を出した西日本豪雨。
岩手県を直撃した2018年の台風10号。
2016年の熊本地震。
そして、我々岩手県民にとっては決して忘れることのできない、死者の数1万5,895名、重軽傷者6千名余、行方不明者2,539名と云う未曾有の大災害、3・11東日本大震災などなど。日本列島は常に自然災害の脅威と背中合わせであると云うことを、肝に銘じ、決して忘れてはならない。
また、そのことによって、思弁、或いは独自的発想かも知れないが、災害の多い日本だからこそ、「和の心」が生まれ、「お互い様」の相互扶助の精神が育み、脈々とその精神が受け継がれていると云うことも忘れてはならない。

大自然の計り知れないパワー、予想を遥かに超えたエネルギーを相手に、我々は生きようと、懸命に、必至になって戦っている。
しかしながら、大自然に戦いを挑むなどと云うのはあまりにも身の程知らずであり、浅はかな考えであると云うことを認識すべきである。
戦いを挑むのではなく、自然に対し心底から畏敬の念を持ち、自然と同化しながら生き、どう向き合い、付き合っていくべきかを改めて見直す必要があるのではないだろうか。
そんな思いを、一首に託しながら、大泉ヶ池の湖面を照らす一燈の灯りとなることを願いつつ、筆を取った次第である。

毛越寺法灯会の詳細>>


フォト短歌「止まぬ雨なし」 フォト短歌「うつそみ」


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