昨日、一関・文学の蔵の創刊『ふみくら』の発送作業が無事に終わった。
今年で30年目を迎える一関・文学の蔵は、日本一小さな文学館として知られるいちのせき文学の蔵の開設や、島崎藤村学会全国大会、井上ひさしの日本語講座や文壇の著名人による講演会、「斎藤茂吉記念館とさくらんぼ狩り」などの文学散歩等々、それらの活動の紹介や随筆などを含む広報誌(不定期)の発行などなど、地元一関市を中心に文化活動を展開してきた。
この度、30周年を記念し、会長の及川和男(作家)先生主導のもとに年刊誌『ふみくら』の創刊が叶った。
刊行にあたり、
寄稿依頼を初め、寄せられた原稿(殆どが手書き原稿)のワード入力など、その殆どを及川先生一人でこなされた。
また、予算が限られていることから、組版や校正を自前で行い、印刷と製本のみ外注すると云った難作業をこなされた。
また、驚いたことに、昨日、世話人達が集まり、発送の準備に取り掛かったところ、小包袋全てに、万年筆による味のある先生直筆の宛名書きが既に施されていた。
非常に頭が下がる思いである。
世話人達全員の驚嘆によるその場の空気に包まれながら、手分けして梱包作業を黙々と進めた。
いちのせき文学の蔵の会員、寄稿者、その他関係機関への発送を滞りなく済ませた後、作業会場である蔵元レストラン世嬉の一さんの桑うどんセットを皆さんと一緒にご馳走になった。
温そば?(桑うどん)をゴマとジュウネ(えごま)のタレでいただいたが、ゴマとジュウネの風味が口いっぱいに広がり、実に美味しくいただき、十分に堪能させていただいた。また、サクサク感の絶妙な天ぷらも実に美味しかった。
更には、デザートの「果報もち膳」や世嬉の一特製の甘酒も卓に上り、十二分に堪能させていただいた。
この、心のこもった料理の一つ一つには、厨房に立つ料理人さん方の全員のおもてなしの心がこもっていると同時に、いちのせき文学の蔵の館長であり、当世嬉の一酒造の会長である佐藤晄僖(現・一関商工会議所会頭)さんのお人柄が出ているように感じてならない。
一関に訪れた際には、是非とも「酒の民族文化博物館」を見学し、同じ敷地内の「蔵元レストラン世嬉の一」で昼食を取り、中庭を挟んだ「酒の直売所 せきの市」に立ち寄ってお土産を見繕ってみては如何だろうか。オススメである。
但し、酒の民族文化博物館に併設されるギャラリー「いちのせき文学の蔵」は、只今工事中につき見学はできない。
文化財の為、慎重な作業につき工期は未定だが、工事完了後には是非とも立ち寄って見学していただきたい。
尚、昨年10月、及川和男先生が一関市の教育文化功労者として表彰された。その受賞祝賀会が、来る2月11日、ベリーノホテル一関で行われる。
ふみくら創刊号
目 次
扉のことば 会長 及川和男 P1
詩 秋の色 井上 厦 P4
「ことばのテキスト 言海」を読む 畠中祥夫 P6
戊辰戦争150年 ― 民のことばと心情 ― 大島晃一 P11
合唱のまち一関 阿部興紀 P16
中世の農村風景を未来へ 西 幸子 P19
短歌 ふるさと回想 佐藤怡當 P22
短歌 夏草の賦 佐藤峰子 P23
樹木葬と自然再生 千坂げんぽう P24
文学散歩 考 原田徹郎 P27
俳句 トレモロ 照井 翠 P30
デンマークと千葉忠夫さんとの出会いから 熊谷 茂 P32
宮沢賢治と一関 佐藤竜一 P35
詩 夜空と懐中電灯 及川慈子 P37
※わが心の一関
一関の思い出 今村 詮 P40
夢を育んだ「未明座」 山川修平 P43
一関への思い ― 自然・文化 ― 小野正弘 P45
餅食文化と地域おこし 佐藤晄僖 P47
「一BA」は何を目指してスタートしたか 松本数馬 P49
東山散策「賢治さん」 那須照市 P50
※エッセー・随筆
中尊寺の能楽堂へのおもい 佐々木邦世 P55
稲の声 伊藤英伸 P58
山谷の風に誘われて 藤本千ニ P60
一関喜桜会九十周年を迎えて 千葉万美子 P63
文人往来 積善院を訪ねて 小賀坂勝美 P66
野草の声 岩井憲一 P68
◆文学の蔵ものがたり◆ 及川和男 編 P73
編集を終えて 編集長 畠中祥夫 P72
表紙絵 渡部吟子
カット 佐藤範子
定価 600円+消費税
<取扱店>北上書房
さわや書店
因みに、私の拙稿(稲の声)もP58に掲載されている。
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