昨日、一関市文化センターを会場に、一関地方短歌会秋季短歌大会(第74回一関文化祭短歌の部)が行われた。
選者は岩手県歌人クラブ幹事の鷹觜真知子先生。
一関地方短歌会副会長の佐藤政勝さんによる開会の言葉を皮切りに、大会及び歌会が始まった。
昨秋の大会は隣の展示室での開催とあって、マイクが使えず、出席者からは不評を買いながらの進行だった。
声を張り上げての司会進行に、途中で声が出なくなるといったハプニングもあり、四苦八苦しながらの大会だった。
今回はマイクをしっかりと使えることから、声を枯らすことなく進めることが出来た。
歌会では出席者の互評、感想の後、鷹觜先生の鋭さのなかにも温かみのある講評で、会場全体和みながらもあっと云う間に時間が過ぎた。
その後、休憩を挟み、表彰式へと順調に進んだ。
結果は次の通り。
一関市長賞
領土とはいかにして得しこの星の二百余国の成立ち思ふ 小野寺 政賢
一関市議会議長賞
裏山の枯れ木の枝のキクラゲは土に還りし父の耳朶 伊藤 英伸
一関市教育長賞
先祖より甕に梅干し漬け込めば重石に祖母の笑顔が浮かぶ 佐藤 政勝
一関市文化協会長賞
盆帰宅出来ぬホームの夜卓に灯すがに芙蓉ひとつ開きぬ 千葉 利二
実行委員会長賞
大蒜の長い根を切り二百個をきりりと縛り干せし六月 岩渕 初代
奨励賞
さ緑の莢にしっかり収まりて三人家族のやうな空豆 松村 雅子
有り難くも私の一首が一関市議会議長賞に推挙された。
今年6月に他界した父のことを詠んだ歌だが、哀惜のなかにも少しばかりユーモラスに表現したのが良かったのかもしれない。
これで一関地方短歌会今年度の行事が全て終了した。
先ずは安堵の胸を撫で下ろした、と云いたいところだが、後は来年4月26日開催の第44回中尊寺西行祭短歌大会に向けての打ち合わせや、一関文学の蔵『ふみくら9号』の発刊の準備。また、今冬から参加することになった一関文化協会『文芸いわい』の刊行に向けての編集作業など、のんびりと構えてもいられない。
2年程空いてしまった自著の刊行、「今冬中には」と予定していたが、如何せんいつ取り掛かれるのやら・・・。
≪return Tweet