エッセイコーナー
458.過剰反応  2020年2月13日

収束する気配のない新型コロナウイルス、果たしてこの先どうなるのだろうか。
今のところ水際で食い止めているかのように思われる日本の検閲だが、果たして実際はどうなのだろうか。
ここ岩手県南部でも、どこに行ってもマスクや消毒薬の入手は困難な状況だ。過剰反応と云えるのではないだろうか。
その要因の一つが、過剰な報道であろう。
「マスクや消毒薬が売り切れて、陳列棚には一つも残ってない」などと全国放送で流れれば、そりゃ誰だって焦って薬局に向かう。無いことを確認すれば直ぐさま他の店に駆け込む。それが一人二人ではない。これでは本当に必要としている人に届かなくなる。不安が不安を呼び、ウイルス感染以前に、不安の伝染が広がるばかりだ。

事実を知らしめることは確かに大事なことだが、報道のしかたにもう少し工夫がほしい。
マスクメーカーの製造現場を取材し、量産体制に入っているので焦って買う必要はない等々、買占めをやめるよう呼びかけるなど、不安を解消させる伝え方をすべきではないだろうか。
今朝、緊急対策として国からマスクメーカーに対して助成を始めたとする報道があったが、何故もっと早くやらないのかと思いはあったものの、ひとまず称賛、朗報である。

「過剰な報道」と云えば、先日の紙面に気になる記事があった。
「くすぶる兵器用ウイルス説」との見出しで、今回の騒動を引き起こした新型コロナウイルスは中国が作った生物兵器ではないか、との仮説記事である。
確かに、ネット上ではまことしやかに囁かれているのを見かける。
その根拠となるのが、武漢市の海鮮市場から約30㎞離れた市街地にある研究施設の存在である。
バイオセーフティーレバル(BSL)に位置づけされる世界でもトップレベルのウイルス研究施設だ。

新聞記事によると、イスラエル軍の元関係者の分析や、インドの研究者の推論などをもとに、米紙のワシントン・タイムス(電子版)が伝えたのだそうだ。
それに対して研究施設の研究者は「新型コロナウイルスは、施設とは全く無関係だ、命をかけて保証する」と訴えているとのこと。
前述の研究所からの流出説には具体的な根拠が示されてはおらず、推測の域を脱してはいない。

中国の肩を持つつもりは毛頭ないが、武漢と云えば中国有数の工業都市であり文教都市でもある。東西南北にわたる交通の要衝であり、人口は1千百万人超、東京を超える大都市だ。
中国にとっては重要な拠点の一つであることは疑いの余地はない。もし仮に、細菌兵器を作るのであれば、人口の密集しない、秘密裏に実験出来そうな場所、しかも、もし拡散した場合には被害を最小限に抑えられる場所を選ぶのが筋ではないだろうか。「その裏を読んで」のことなのか否かは定かではないが・・・。
いずれにしても作られて困ることは確かだ。


フォト短歌「在りし日の」  



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