エッセイコーナー
162.小啄木鳥(こげら) 2016年1月3日

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。本年も変わらぬご愛顧、宜しくお願い申し上げます。

今朝は寒さも和らぎ、まるで春を思わせるような穏やかな朝だった。
いつものように畑周辺を散歩していると、その陽気に誘われたのだろうか、栗の木から「ピーチクパーチク」と小鳥の鳴声が元気よく響いてきた。何の鳥かとカメラを向けると、こげらたちであった。
スズメ大の大きさで、アカゲラよりも一回り小さなキツツキの仲間だ。栗の木に自生する虫を獲っているのだろう。
最近あまり耳にしなくなったが、松枯れの原因となる松くい虫(マツノマダラカミキリ)も餌にすることから、益虫ならぬ益鳥として実に有り難い鳥である。
勿論、個体の大きいアカゲラの捕食力は更に上だ。

アカゲラと云えば、私が小学校低学年の頃、夏休みに入る少し前のことだったと記憶しているが、裏山の方から「コンコンコン」と木を叩くような音が聞こえてきた。
「なんだろう」と不思議に思い、静かに近づいてみると、キツツキ(アカゲラ)が枯木となった桑の木の一本に巣穴を作っていた。
それから幾日が経ち、親鳥が飛び立つのを見計らって静かに近づいてみると、幹の内部から「ピーピーピー」と雛の声が聞こえてきたのだった。

子供心に、どうしてもそのひな鳥が見たくて見たくてたまらず、父にねだって取ってもらった。
丁度夏休みに入り、妹と二人、餌や水を与えるなどして大事に育てたのだった。
観察学習として、その体験を元に、夏休みの宿題としてまとめた記憶がある。
今ではその記録がどこにあるのか知る由もないが、一羽の犠牲も出すことなく(だったと思う)、母鳥の元、自然に返すことができたものの、後になって、無理やり母鳥から奪ったことを悔いたことも、子供の頃の苦い思い出として、薄っすらと記憶に残っている。

 


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