エッセイコーナー
91.持ちつ持たれつ「相身互い」  2014年8月8日  

ここ数日、岩手県南も亜熱帯化が進んだか、暑い日では36.9度、湿度90%を越える厳しい蒸し暑さが続いた。
立秋の日の翌日、今日は一変して涼しささえ感じる一日となった。降ったり止んだり、空は相変わらず愚図ついている。
我が家の近所に、果物作りがとても上手な方がいる。以前、別ブログでは何度も登場していたが、生憎サーバーサイドの不具合により、過去のデータを全て失ってしまった。
頂いた果物や、果樹園の様子などを紹介した記事も殆ど消えてしまった。残っているのは、また別ブログの一部記事のみとなった。残念だが仕方がない……。

今回はもぎたての桃を頂戴した。
氏の果樹園には色んな種類の果物がところ狭しと植えられている。特にブドウや梨は、接ぎ木を繰り返すことによって更に甘みを増し、年々美味さを増しているように感じる。勿論、見た目の素晴らしさは言うまでもない。
氏の果樹園に一歩足を踏み入れると、そこは紛れも無く別世界が広がっている。正しく桃源郷である。
「死ぬまでずっとそこに居たい」とさえ思えるほどだ。
また、氏の接ぎ木の技術は果物だけに留まらず、一般的には難しいとされる椿の接ぎ木にも挑戦され、色んな色の花々を咲かせるなど、とても研究熱心である。

夏は桃やプラム、秋には色んな種類のブドウや梨を頂戴している。
勿論、頂くばかりでは失礼にあたることから、我が家からは、春には孟宗竹の朝採りの筍を、秋には徹頭徹尾天日干しにこだわって作るお米、天然乾燥米「元氣」(ひとめぼれ100%)を持参している。
所謂、持ちつ持たれつ、物々交換とでも言おうか。
近代の社会は、お金がないと生活がままならないといった、何でもかんでもお金お金の世の中である。
あまりにも現金主義がはびこり、お金のあるところに目くじらたてて人が集まる。だからお金に纏わる犯罪が増え、色んな悪循環がうまれる。

ただ、確かに、お金は価値の交換や支払いの手段であったり、価値の尺度や蓄積の手段として非常に優れている。
便利で、非常に重宝なものであって、決して悪いものだと言及するつもりは毛頭ない。
使い方や、考え方、お金本来の価値を正しい方向へと導くことによって、更なる有意義な価値を見出すのではないかと私は期待している。 

また、現代はカード社会だ。
Suicaやnanacoなどの電子マネーは非常に便利であり重宝だ。ただ、今のところは全てお金の決済によるものだが、私が思うに、お金の決済以外に、「物」でも決済できるようになれば、非常に有難く、有益であると考えている。
システムは非常に複雑かもしれないが、もしこれが可能となれば、お金に固執、執着することなく、将来への不安も解消され、経済も益々活性化されるのではないかと期待している。
確かに、昔ながらの物と物との交換では、荷物となって持ち運びに難が生じるが、何らかの流通システムを構築することによって、物々交換をカードでの決済が可能になれば、実に快適な社会になるのではないかと、絵空事かもしれないが、私はそう願望を抱いたりしているのである。

ちょっとばかり横道にそれてしまったが、ひと頃(今も?)、里山資本主義なる本がベストセラーとなった。
かく言う私も愛読者の一人だが、このような里山での生活体系、経済資本として活かすこと、或いは活かされることが、今後のよりよい社会、日本の未来を築くと言っても決して過言ではないのではないかと、少々抽象的だが私はそう思っているし、そう願っている。
なにも、農業の企業化や大規模化が市場経済の恩恵を受けるといったことが、全てではない。こういった個々の、或いは細事の積み重ねによって、資本の流通を加速させ、経済が勢いづくのであって、大仰ばかりが全てではないということを、改めて認識すべきではないかと私は思っている。

因みに、前出の果樹園のご近所さんとは、本業が歯科医師の伊師正男先生である。




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