エッセイコーナー
872.第47回一関市舞川地区文化祭&今村翔吾講演会  2023年11月4日

昨日より11月9日(木)迄の7日間、第47回一関市舞川地区文化祭が一関文化伝承館(舞川市民センター)を会場に開催される。
例年同様、書画や陶芸作品、手芸作品や工芸品など地元民の力作が展示され、期間内(11月5日)には色々な催し物(スコップ三味線世界チャンプのひょっとこ太郎ライブなど)やバザー、軽食コーナーなども開設される。

昨日の午前10時より、開会式が執り行われ、くす玉割りを合図に会場が開放された。
会場に入り、正面には石に松などを栽植した盆景作品が出迎え、奥には地元の子供らの作品が展示されている。
会場の東側(右側)に進んで左手の、畳張りの広間に私ら寿会の陶芸教室の作品が並べられていた。
今回私の出品は陶芸作品6品。
釉薬に浸す迄のイメージしかなかったので、出来上がりを見て、それなりの出来にやや満足。

「やや」と云うのも、ああすれば良かった、あの色を少し減らすべきだった等々、見れば見るほど反省点が次から次と湧いてきたのだった。
一流の陶芸家なら、気に入らない作品があれば大上段に振りかざし、コンチクショウとばかりに地面に叩きつけるところだろうが、なにぶんにもズブの素人、況してや今度いつ作れるか分からない。
苛立つ心を宥めながらも、不出来な作品を軽く撫で「まあまあだな」と自問自答したのだった。

一応来年度も陶芸教室に参加する予定である。その際は今年の轍を踏まぬよう手捏ねに集中したいと思う。
もっとも、私の場合は成形云々よりも、短歌などを揮毫することを目的に始めたことから、その初心だけは忘れないようにしたい。
会場には他団体の色んなジャンルの展示品、力作がズラっと並んでいた。
私も時間的に余裕がでてきた暁には、他のこと(例えば盆景など)にチャレンジしたいと思いながら、会場を隈なくしげしげと見て回ったのだった。


午後2時より、歴史小説・時代小説家の今村翔吾氏の講演がある為、一関文化センターに向かった。
演題は「夢を追うこと ー 歴史が現代に伝える教訓 ー 」
内容の濃い、実にいい講演だった。
私は歴史小説の類には殆ど興味を持たなかったことや、況してや今村氏は39歳と未だ若いこともあり、正直に云ってあまり期待はしていなかった。

ところが、講演の内容は勿論のこと、関西弁を駆使した流暢な話術、サービス精神旺盛で飾らない人柄、自身の経験を通した教訓がひしひしと伝わってきたのだった。
特に「運」についての話には心底より感動を覚えずにはいられなかった。
最初はウトウトしながら聞いていたが、次第に、翔吾ワールドにすっぽりと嵌り、あっと云う間の90分であった。
今村氏の小説家を目指した経緯などを聞くにつけ、小説家になりたいとは思わないが、せめて私も一本ぐらいは小説を書き上げたいと思った次第である。

講演途中に垂れ幕が落ちるなどのハプニングもあったが、今村氏の機転の効いた一言により、ひょっとしたら再び今村氏の講演会が一関であるかも知れない。実に待ち遠しい。
講演会場は本来撮影禁止。
2年程前の、息子の記念講演以外はカメラ不携帯での入場だったが、講演の終盤、今村氏曰く「撮影してSNS等にUPしていいですよ」との一言。殆どの聴講者が慌ててスマホを構えたと云う次第。
かくいう私も胸ポケッから徐ろにスマホを出したのであった。

今回は講演終了後15分程度しか時間が取れない強行スケジュールとのこと。
次回一関市に訪れた際には是非とも宿泊していただき、一関に関わりある文士の一人としていちのせき文学の蔵に立ち寄り、同じ敷地内の蔵元レストラン せきのいちで「手切りはっと膳」や「酒しゃぶ膳」に舌鼓を打ち、甘党なら「果報もち膳」もよし。一関の餅食文化を是非とも堪能していただきたいものである。


フォト短歌「不羈の皿」  

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