エッセイコーナー
563.既得権益に塗れた雲上の巣窟集団  2021年1月21日

新型コロナの影響で職を失い、生活が困窮する世帯に限定しての給付金交付は「考えにくい」と否定し、国民一律の「定額給付金」の再支給を真っ向から否定した麻生財務大臣。
呆れたのもだ。
国民を暗愚なものと見なし、庶民の不幸を他人事としか見ようとしない様子の大臣発言には、ほとほと呆れる。いや、呆れると云うより、「激しい憤りを覚える」と云った方が正しい。
万死に値する発言であると云わざるを得ない。

再交付を否定する理由として、「前回交付した折、殆どの国民は使わずに預金したから」とのことだが、早速使った人たちはお金に余裕のある人たちか本当に困っていた人たちであって、殆どの人たちは苦しいながらもいざという時の為に残していたのではないだろうか。かく云う私もそうだ。
麻生大臣は昨年の春に実施した定額給付金10万円の支給理由について、「国民皆で連帯してこの難局を乗り切る為」と説明していた筈だが、このコロナ危機を、もう皆で乗り切る必要はないと思っているのだろうか。

確かに、国民が困っていようがいまいが、お金で苦労した経験のない雲上人にとってはどうでもよいことかもしれない。
然し乍らこのコロナ禍のもとで、多くの国民が大変な思いで日々を送り、先の見えない不安と、焦燥感に駆られ乍ら生活を送っている。
多少の漢字が読めなくとも大した問題ではないが、世の中の空気だけはしっかりと読んでいただきたい。

今回の大臣発言に対して、Net上ではかなりの失望感と苦情が寄せられているようだ。
苦情のなかには、上から目線の態度に激怒する者たちが多いようだが、それについてはあの御仁の性分であり、今更直しようがあるまい。・・に付ける薬などない。「治す為には一つしかない・・・」と云うことだろう。
そんなことよりも、問題すべきは発言の内容である。

前述したように、新型コロナのお陰で職を失い、路頭に迷っている人たちは相当数いる。
かろうじて失職を免れたまでも収入がかなり減った人たちが大勢いる。
派遣切りのみならず、正社員のリストラも進んでいる。
廃業せざるを得ない状況の中小企業や個人事業者もかなりの数に上っている。
雇用保険の助成や休業補償等があるとは云え、現実的には複雑な手続き等で断念せざるを得ない事業主もかなりいると聞く。
机上の空論ばかりではなく、現実を直視した上で発言していただきたい。

政治とは本来、我々国民が幸せを享受し、安心して暮らせるよう社会全体を統合する為のものであり、政治家はその執行者でなければならない。然し乍ら今の政治家は、既得権益にまみれた「雲上の巣窟集団」であると見なされても致し方ないのではないだろうか。

財源については何とかなる。いや、何とでもなる筈だ。
現代は金本位制の時代ではない。管理通貨制度のもとで政治経済活動が為されている。
通貨の本質を理解することによって財政の真理が明らかになる筈である。
ただ、残念ながら、「財源は税金だ」と、とある番組のタレント司会者らが云うように、視聴者に影響力のある連中の無理解が、ますます国民の誤解を払拭できない要因であると云わざるを得ない。
それら誤解の解消の為にも、何度も云うように、財政破綻論者とMMT論者の論戦を地上波の番組で是非とも交わす必要があるのではないだろうか。


フォト短歌「妖しき跡」



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