エッセイコーナー
867.天才ありき  2023年10月21日

村木風海(23歳)と云う天才化学者がいる。
先日、何気なくテレビのスイッチを入れたところ、クイズ番組が流れていた。
小学生が5・6人おり、小学生のクイズ番組かと思ったが、一般の大人がクイズにチャレンジしていた。
最初は女性で、7ヶ国語が堪能なアスリートだとのこと。凄いなと感心しながら見ていると、残念にも早目に失脚。
次に出てきたのが若い男性だった。経歴には東大満期退学とあった。つまりは早目に学位を取得して社会に出たと云うことだろうが、その目的が実に凄い。地球温暖化を止め、地球を救い、火星に住みたいとの思いで会社を立ち上げ、現在研究に没頭しているとのことである。

研究の対象が二酸化炭素の活用。つまりは二酸化炭素の再利用ということのようだ。
私が以前から注目していたのがドリーム燃料。水と二酸化炭素で石油を作ると云う画期的なエネルギー創造方法である。
それと同じか否かは、私には分からないが「世の為」「人の為」「世界の為」になることには違いない。
それに対して、「物理学のプロからは全否定だ」とか、「二酸化炭素をアルカリ溶液に集めるのは不可能だ」などと、否定や誹謗中傷もあるようだ。  
ただ、過去に数々の実績、偉業を成し遂げた偉大な人物たちも、同じ様な誹謗や中傷を受けながらも、「一念通天」自分を信じて偉業を成し遂げてきた。  

狂犬病やコレラのワクチンを発明し、世界を救ったルイ・パスツールは大学時代、化学の成績は22人中15番目だったそうだ。
また、進化論の方向性を確立したチャールズ・ダーウィンは父や先生から一般の知性レベルに達していないと思われていたそうだ。
また、教師に、「学習する知能がなさ過ぎる」と云われ、仕事は2度解雇された人物。
誰もが知る発明王トーマス・エジソンである。
また、4歳迄話すことができず、7歳迄文字も読めず、学校を退学になった後、チューリッヒの学校からも入学を拒否された、20世紀最大の天才と称される物理学者のアルベルト・アインシュタイン。
また、自動車会社が成功する迄7度の失敗、5度の破産を経験したフォード・モーターの創業者ヘンリー・フォード。
また、バイオリンを自己流で扱い、自己流に作曲した曲を弾くと、先生に「作曲家の才能はない」と云われた音楽家、聴覚を失ったまま偉大な5つの交響曲を作曲したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンなどなど、偉大な人物たちは偏見や誹謗中傷にもめげず、自分を信じて突き進んだ。 
   (抜粋:それでもあきらめなった偉人たち 櫻井俊)

村木風海君にも自分を信じて突き進んでもらいたい。
今回こうしてクイズ番組に出た目的は、研究資金の捻出の為だとのこと。
「世の為」「人の為」「世界の為」と頑張る研究者らを応援するのは、本来、国の役目だと私は思っている。
「民間企業は利益追求の為だから」と突き放し、「財政難だ」として見放しているのが現状である。
「企業の利益」云々以上に、世の中の利益になるということを、しっかりと認識していただきたいものだ。
ただ勿論、国の支援が全くないと云う訳でもない。
対象の裾野を広げ、間口を広げて十二分な支援が必要ではないのか、と云いたいのである。

以前、私の息子が学生当時(筑波大学)、友人と二人で研究した成果が認められ、経産省管轄の「未踏IT人材発掘・育成事業」に応募し、スーパークリエータの認定を受けたことがある。
国から研究費の提供がなければ、今はないと思っているが、世の中には隠れた逸材が必ずおり、眠っている筈である。
裾野や間口を広げ、「世の為」「人の為」「世界の為」に活躍できる人材を真剣に育てるべきではないだろうか。
また、当サイトでも何度も取り上げたが、クラウドファンディングなど、民間の支援により東京国立博物館や、国立科学博物館が今後の運営資金を賄おうとしていた。
国宝を守り、歴史的に重要な資料を守ると云うことは、我々国民の財産を守るということである。
国民の財産を守るのは「国の役目」だと云えるのではないだろうか。

既得権益にばかり目を向けずに、しっかりとその役割を果たしていただきたいと、為政者には特に云いたい。
過去に、「事業仕分け」とやらで大学の研究機関の補助金が打ち切られ、優秀で有脳な研究者が海外に活路を求めて日本を去って行った。それもこれも金本位制当時の「財政観」「貨幣観」「通貨感」から未だに抜け出せず、現状に甘んじているからに他ならない。
一刻も早く目を覚ましていただきたいものだと、痛切に思う秋の夕間暮れである。

天才と云えば、将棋界の天才もまた実に凄い。
8冠全てを手中に収めた藤井聡太名人。幼少の頃、将棋を指していて頭が割れそうになると母親にこぼしていたそうだが、それだけ幼少の頃から脳をフル回転していたと云うことだろう。
「脳をフル回転」と云えば、「9つの学問を究める16歳スーパー女子高校生」もまた凄い。
全国物理学コンテスト優秀賞。日本地学オリンピック金賞。国際天文学・天体物理学オリンピック銅賞。小学4年で英検1級合格。小学6年で数検準1級取得。中国語は2ヶ月でマスターしたとのこと。究極の目標は、あらゆる科目を究めて社会に生かす「ジェネラリスト」だそうである。

格言で「二刀追うものは一刀も得ず」と云う諺語がある。
何かを極める為には一つに絞るべきとの教訓だが、これは我々凡人に対してのもの。
動もすると、折角の才能を潰すことにもなりかねない。
自分に自信があると思うなら、自分を信じて色々チャレンジすべきではないだろうか。
大谷翔平選手然り、彼ら天才には当て嵌まらない迷言なのかも知れない。

843.どうなる財源  2023年8月8日


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