エッセイコーナー
390.賓客  2019年6月24日

息子の嫁さんのご両親が、遠路はるばる香港から訪ねてきた。
ここ岩手県南も梅雨入りとなったが、昨日は幸いにも梅雨の晴れ間、岩手県南の名所を案内することになった。
時間的に余裕さえあれば色々と案内したかったが、観光に費やす時間は限られていた。

先ず向かったのは日本百景のひとつ、猊鼻渓で川下りを体験してもらうことになった。上船から下船迄の所要時間は1時間半。切り立つ巌壁に包み込まれた砂鉄川の穏しかる流れのなかを、対峙する岩肌の反響宜しく、船頭さんのユーモアに富んだ案内の美声が実に、耳に心地良かった。 船べりから水中を覗くと、鯉や鮒、ウグイやオイカワなどが悠然と泳いでいるのが視える。
この空間だけはまるで時間が止まったように、スローモーションで時空を彷徨っているかのようであった。
青葉の頃も見応えは十分だが、紅葉を眺めながらの秋はまた格別だろう。是非また訪れてみたい。

昼食は予約してあった「げいび苑」で鰻と鮎の塩焼きにお腹を満たし、我が家へと向かった。 スケジュール上、時間的に厳しいこともあって30分程の滞在の後、毛越寺に向かった。
折角岩手に来て世界遺産の平泉を訪れないのは寂しい。かと云って時間に余裕がない。本来なら中尊寺と毛越寺を訪れ、できることなら親類(ご本家)が営む「みちのくあじさい園」を案内したいと思っていた。
しかしながら開園まであと一週間。6月29日(土)が開園初日となる。
もし機会があれば次回に、と云うことで毛越寺のみを見学することにした。幸いにも「あやめ祭り」の最中で、「花の寺」を十分に堪能し、満足したようであった。

その後、予定には入れてなかったが、私の営むトレーニングジムを見たいとのこと。急遽案内することになった。
夕飯の予約時間が迫っていたこともあり、十分な案内は叶わなかったが、事務所を後にして予約先の「蔵元レストランせきのいち」へと急いだ。
当レストランはご周知の通り世嬉の一酒造が運営しており、酒の民俗文化博物館やいちのせき文学の蔵などを併設している。時間的に余裕があればそれらも案内したかったが、生憎公開時間は既に過ぎていた。
特に、私の書籍も収めてあるいちのせき文学の蔵は案内したかったが、またの機会と云うことで、今回は諦めることとなった。

息子の嫁さんのご両親はあまり餅は得意ではないとのことだったが、世嬉の一の餅料理はバリエーションも豊富、味にも定評がある。創作料理を是非ご馳走したいと思い、料理の予約をいれていた。
牛辛スープ餅膳と桑うどんにアイスバインを加え、飲み物は竹酒(たけざけ)や地ビールなど。
「餅料理は如何か」と思いながら多少不安だったが、十分満足したようだった。
世嬉の一さんのおかげで、餅に対するイメージも一変したのではないだろうか。会話も弾み、(とは云っても息子夫婦の通訳が入ってのことだが)楽しい時間を共有できて本当に良かった。
名残惜しかったが、お互いの無事、健康を祈りつつ、帰路についたのだった。

因みにご両親と息子夫婦は一関温泉「山桜桃の湯」に一泊し、翌日の午前中に中尊寺を訪れるとのこと。平泉、いや日本を十分に堪能し、無事に香港に帰国していただきたいと切に願っている。

香港九龍游々紀行 前編
香港九龍游々紀行 後編


フォト短歌「猊鼻渓」 フォト短歌「花菖蒲」

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